中國(guó)料理の調(diào)理法には數(shù)多くの流派がある。そのうち最も影響力があり、代表的なものとして社會(huì)的に公認(rèn)されている料理は山東料理（魯菜）、四川料理（川菜）、広東料理（粵菜）、福建料理（閩菜）、江蘇料理、（蘇菜）、浙江料理（浙菜）、湖南料理（湘菜）、安徽料理（徽菜）があり“中國(guó)八大料理”と稱されている。これらの料理系譜の獨(dú)特な調(diào)理法は、調(diào)理法形成過程、その地方の歴史と切り離して語(yǔ)ることはできない。またその地方の地理的條件、気候條件、特産資源、飲食習(xí)慣などの影響も受けている。八大料理の擬人化表現(xiàn)として、江蘇、浙江料理は清楚な素面の江南美人、山東、安徽料理は古風(fēng)で質(zhì)樸な北方健児、広東、福建料理は風(fēng)流典雅な貴公子、四川、湖南料理は造詣深く才気あふれた名士と表現(xiàn)されている。中國(guó)“八大料理”の調(diào)理法はそれぞれ長(zhǎng)所を有し、長(zhǎng)い歴史が生み出したものである。

　　一　山東料理（魯菜）

　　宋朝以降、魯菜は“北方食”の代表となった。明、清時(shí)代には魯菜が宮廷料理の主流となり、北京、天津、東北各地に対して大きな影響を與えた。現(xiàn)今の魯菜は済南、膠東両地方の地方料理が発展したものである。その特徴の爽やかな香り、新鮮な柔らかさ、純粋な味で世に知られ、コンソメ（清湯）とクリームスープ（奶湯）の調(diào)理法に長(zhǎng)じ、コンソメは淡白上品、クリームスープは純白で濃厚である。済南料理は煮炒め、遠(yuǎn)火焼き、油炒め、揚(yáng)げ物に長(zhǎng)じ、有名な料理には“糖酢（甘酸っぱい味付け）黃河鯉魚”、“九転大腸”、“湯（スープ）爆（煮炒め）雙脆”、“焼海螺（ホラガイ）”、“焼牡蠣”、“烤（焙り）大蝦”、清湯燕巣“などがある。

　　二　四川料理（川菜）

　　秦末から漢初期にかけて初期的に形成され、唐、宋代に急速に発展し、明、清代にはその名聲が全國(guó)に広まり、現(xiàn)在では世界中に四川料理レストランを見出すことができる。正統(tǒng)四川料理は成都、重慶両地方の料理に代表される。精選された原材料、規(guī)格の重視、主従明確な盛付けの彩り、鮮やかなハーモニーを誇っている。酸味、甘み、痺れ感、辛味、巧みな油味、濃厚な味付けが特徴で、調(diào)味料として三椒（唐辛子、胡椒、花山椒）

　　と生姜は欠かすことができない。他地方には余り見られない辛味、酸味、痺れ感のある料理として人口に膾炙し、四川料理獨(dú)特の風(fēng)格は“一皿一味、百皿百味”と賞賛されている。調(diào)理法は焙り、遠(yuǎn)火焼き、揚(yáng)げ炒め、蒸し物に長(zhǎng)じる。四川料理は総合的な味付け、濃厚なだし味に特徴があり、塩味、甘み、痺れ感、辛味、酸味の五味を基本として、さらに各種の調(diào)味料を配合し基本的家庭味、巧みな塩味、魚香味、レイシ味、複雑な妙味など23種類の複合味付けが確立されている。代表的な料理には“大煮干絲（干し豆腐の千切り）”、“黃燜（醤油と酒の煮込み）鰻”、“怪味鶏塊”、“麻婆豆腐”などがある。

　　三　広東料理（粵菜）

　　前漢時(shí)代にすでに粵菜の記載があり、南宋時(shí)代には皇帝付きコックが広州に隨行する影響を受けた後、明清時(shí)代に急速に発展し、さらに対外通商開始後は西洋料理の長(zhǎng)所を吸収するとともに粵菜も世界に普及し始め、現(xiàn)在、ニューヨーク市だけでも數(shù)千の広東料理店を數(shù)えるに至っている。広東料理は広州、潮州、東江の三地方の料理を代表として形成されている。原材料の種類は豊富で新奇を好むので変化に富み、旨み、若い柔らかさ、爽やかさ、滑らかさを重視している。一般に夏秋には淡白を求め、冬春には濃厚に傾く。味付けにはいわゆる五滋（香り、歯ざわり、臭み、滋味、濃厚さ）、六味（酸味、甘み、苦味、塩味、辛味、旨み）の別がある。調(diào)理法はソテー、揚(yáng)げ物、餡かけ、煮込み、揚(yáng)げ炒めなどに長(zhǎng)じ、盛付けの彩りは重厚で、その滑らかさは飽きが來ない。蛇、ハクビシン、貓、犬、サル、ネズミなどの野生動(dòng)物調(diào)理で名高く、有名な料理には“三蛇竜虎鳳大會(huì)”、“五蛇羹（濃厚な吸い物）”、“塩火局（蒸し煮）鶏”、“牡蠣油牛肉”、“烤乳豬（子豚）”、“干煎（油煎り）大蝦碌”、“冬瓜盅（杯）”などがある。

　　四　福建料理（閩菜）

　　福建料理は福建省閩候県に起源を発し、福州、泉州、アモイなどの地方料理を代表として発達(dá)してきた。その特色は色調(diào)が美しく、淡白で滋養(yǎng)があることで名高い。調(diào)理法は油炒め、餡かけ、ソテー、煮込みに長(zhǎng)じ、特に“酒糟味”は獨(dú)特である。福建は東南の沿海に位置しているため、ハモ、アゲマキ、イカ、イシモチ、ナマコなどの海鮮が豊富で、それらを原材料とした調(diào)理法に獨(dú)自のものがある。有名な料理には“仏跳墻”、“酔糟鶏”、酸辣爛魚“、”焼片糟鶏“、太極明蝦”、清蒸加力魚“、”荔枝（レイシ）肉“などがある。

　　五　江蘇料理（蘇菜）

　　南北朝時(shí)代に発祥し、唐宋以降は浙江料理と覇を競(jìng)って“南方食”の二大大黒柱となった。江蘇料理は蘇州、揚(yáng)州、南京、鎮(zhèn)江の四大菜を代表として構(gòu)成されている。濃厚さの中に淡白さを有し、ふんわりとして香り高く、スープだしは濃厚であるが嫌味が無く、口當(dāng)たりは柔らかで甘みのある塩味がその特色である。調(diào)理法は煮込み、遠(yuǎn)火焼き、蒸し焼き、油炒めに長(zhǎng)じる。調(diào)理する時(shí)には原材料を厳選して配色、盛付けを重視し、四季の別がある。蘇州料理は甘みに特徴があり、彩りのハーモニーが素晴らしい。揚(yáng)州料理は淡白で口當(dāng)たりがよく、主食材の味がうまく引き出され、切り込み法に優(yōu)れて味がよく滲みこんでいる。南京、鎮(zhèn)江料理は濃厚な味付け、精緻な造りで、特にアヒル料理はその名が高い。有名な料理には“清湯火方”、“鴨（アヒル）包魚帳翅”、“松鼠桂魚”、西瓜鶏“、”塩水鴨“などがある。

　　六　浙江料理（浙菜）

　　杭州、寧波、紹興、溫州などの地方料理を代表として発達(dá)してきた。その特徴は淡白、香り高さ、歯ざわりのよさ、若い柔らかさ、爽やかさ、旨みにある。浙江は魚、蝦類の産地であり、また山紫水明の有名な観光名勝地であるため、民間伝承の有名料理も多く、造りも精緻で変化にも富んでいる。調(diào)理法は油炒め、揚(yáng)げ物、揚(yáng)げ炒め、餡かけ、蒸し物に長(zhǎng)じている。盛名を誇る料理には“西湖酢魚”、“生爆鱔片（タウナギ）”、“東坡肉”、“竜井（竜井茶）蝦仁（エビの剝き身）”、“干炸（粉衣?lián)Pげ）響鈴”、“叫化童鶏（若鶏）”、“清湯魚圓（魚のすり身団子）”、“干菜（乾燥野菜）燜肉”、“大湯黃魚（イシモチ）”、“爆墨魚（イカ）巻”、“錦繍魚絲”などがある。

　　七　湖南料理（湘菜）

　　湘江流域、洞庭湖周辺、湖南省西部の山間地帯の料理を代表として発達(dá)してきた。その特徴は材料の幅が広く、油濃く鮮やかで、唐辛子、燻製肉を多用する點(diǎn)にある。味付けは新鮮で香ばしく、酸味辛味が強(qiáng)く、柔らかく口當(dāng)たりがよい。調(diào)理法は塩漬け肉、魚、燻製、蒸し焼き、蒸し物、煮込み、揚(yáng)げ物、油炒めに長(zhǎng)じる。有名料理には“臘（塩漬け肉）味合蒸”、“麻辣子鶏”、“紅煨魚翅（フカヒレ）”、“湯泡肚（臓物の胃）”、“氷糖湘蓮（蓮の実）”、“金銭魚”などがある。

　　八　安徽料理（徽菜）

　　長(zhǎng)江沿岸、淮河沿岸、徽洲の三地方料理を代表として構(gòu)成されている。その特徴は原材料選定が質(zhì)樸で、火の使い方を重視し、油がきつく色鮮やかで、スープだし、原材料本來の味を維持するところにある。安徽料理は山海の珍味で名高く、南宋の頃には早くも“沙地馬蹄鱉、雪中牛尾狐”が有名料理として知られている。調(diào)理法は遠(yuǎn)火焼き、煮込み、煮物に長(zhǎng)じている。有名料理には“符離集焼鶏”、“火腿（ハム）燉甲魚（スッポン）”、“腌鮮桂魚”、“火腿燉鞭筍（竹の地下莖）”、“雪冬焼山鶏”、“紅焼果子貍（ハクビシン）”、“奶汁肥王魚”、“毛峰燻鰣魚（ヒラコノシロ）”などがある。