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日語閱讀:日本の昔話-- 安姫

  昔々、田島の殿様に、安姫と言う、18になる娘がおりました。

  安姫は、たいそう美しいと評判で、殿様は、いつも自慢にしていました。

  ある日のこと、殿様は、猿楽を、催しました。

  猿楽とは、面白おかしい蕓のことです。

  それからしばらくして、なんと、猿楽の役者に戀をしていると言う、うわさが流れました。

  殿様は、かわいい娘の、この戀を、決して許しませんでした。

  殿様は、安姫を厳しくしかりましたが、安姫は、猿楽の役者との戀を、諦めると言いません。

  頭に血が上った殿様は、怒鳴りました。

  「ええい、この頑固者の姫を池に沈めてしまえ」

  かわいそうに、安姫は、殿様の命令で、池に沈められてしまいました。

  でも、安姫は、好きな人ができて、本當に幸せだったのでしょう。7日後に引き上げられても、まだ生きているように美しく、口元には、うっすらと笑みを浮かべているようでした。

  殿様は、さらに腹を立てました。

  「こんな目にあっても、心のうちでは、幸せに、戀をしていると言うのか。ええい、今度は、姫を切り捨てよ。それから、相手の役者も、同じ目に遭わせるのだ」

  かわいそうに、安姫と役者は、刀で切られてしまいました。

  人々は、この二人のことをうわさしました。

  「かわいそうに、まだ若いのにのう」

  「殿様も、あんなにひどいことをするとはのう」

  しばらくすると、今度は、こんな恐ろしいうわさが、流れるようになりました。

  「安姫様と、役者が、怨霊となって、化けて出るらしい」

  「二人をあんな目に合わせてしまって、祟りがあるらしい」

  やがて、本當に、祟りがおきるようにたってしまいました。

  殿様は、こうなって、ようやく自分のしたことを、深く後悔しました。

  「わしは、自分が気に入らないからといって、何も悪いことをしていない二人に、ひどいことをしてしまった。本當に、もし分けないことをした」

  殿様は、安姫のために、安宮寺を立て、自分の身勝手さを、心から詫びました。役者は、稲荷神社に祭って、同じように、深く謝りました。

  安姫は、沈められた池は、この後、戀裂きの池、呼ばれるようになりました。

  池の周りには、佐渡草がたくさん茂ったので、このあたりを佐土原と呼ぶようになったということです。

  安姫が祭られた安宮寺は、いつしかなくなってしまいましたが、佐土原と言う地名は、今も殘っています。

  おしまい。

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