あるところに、それはそれは綺麗な泉が湧いていました。人々は泉の周囲に住み著き、村を作りました。そしてその村に、雙子の女の子と男の子が生まれました。女の子の名前はジェン、男の子の名前はジェミニ。二人はとても仲良しで、すくすく育っていきました。

　　しかしある時(shí)、生まれたばかりの子山羊を巡って、二人はけんかをしてしまいます。子山羊があまりにもかわいかったので、取り合ってしまったのが原因でした。

　　「ふーんだ！お兄ちゃんなんか知らない。」

　　「こちこそ、お前なんか知らないよ。」

　　それ以來(lái)、二人は顔を合わせるたびに言い爭(zhēng)い、目が合うと途端に逸らしてしまいます。二日経ち、三日経ち、その間ずっとけんかしたままなのです。いつも一緒だった二人ですが、この時(shí)ばかりは一人で遊ぶしかありません。

　　「べ、別に、ジェンなんかいなくだって、楽しく遊んでやるもんね。」そう言うと、ジェミニはボールを持って、広場(chǎng)へやってきました。ポーン、ポーン、ポーン。ジェミニが調(diào)子よくボールを蹴り上げます。「見(jiàn)てたか？ジェン、連続技だぞ！」自慢げに言って振り向きますが、そこにジェンはいません。せっかく上手にできても、褒めてくれる人がいない、それはなんと寂しいことでしょう。

　　「こんなことなら、あの時(shí)謝っておけばよかった。」

　　そう思ったジェミニはジェンを探して村中を走り回りました。

　　「おい、ジェン、どこだ？」

　　すると、「お兄ちゃん、どこ？」遠(yuǎn)くからジェンの聲が聞こえてきました。

　　ジェンもまたジェミニをさがしていたのです。ジェミニは嬉しくなって聲のする方へ駆け出しました。

　　「この前はごめん。」

　　「ごめんなさい。」

　　出會(huì)えたとたん二人は同時(shí)にそう言いました。それから大きな聲で笑いあい、一緒に家に帰りました。

　　「やっぱり、ジェンと一緒のほうが楽しい。」

　　それから、ジェミニはジェンとけんかをしてもすぐに仲直りができるようになったのでした。

　　お仕舞い。