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　　老成した子供（１１）

　　送られてきた週刊誌をパラパラめくっていたら、偏差値の高いいわゆる有名私立中學(xué)校に合格した男の子たちの寫(xiě)真が載れを見(jiàn)て私は少し驚いた。みんな合格が決まってにこにこしているのだが、それを見(jiàn)て私は少し驚いた。中學(xué)に入學(xué)しようというのだから十一、二歳なのに、そのほとんどの子がよくいえば老成し、はっきりいえばふけていたからである。彼が背広を著てネクタイを締めれは、背丈はともかく顔だけは立派なサラリーマンとして通用し、 四十歳、五十歳の姿も容易に想像できるくらいなのだ。

　　うちの近所にある進(jìn)學(xué)塾に出入りしている男の子たちを見(jiàn)ても、やはり眼鏡をかけた老成したタイプが多い。あるとき彼らの會(huì)話が聞こえてきたのだが、その深田祐介と大橋居泉のミニチュア版みたいなふたりは、まだ聲は変わりもしていないというのに、將來(lái)の計(jì)畫(huà)について話していた。

　　「きみは長(zhǎng)男だから、家と土地はもらえるんでしょう」

　　「まあね」

　　「いいなあ。僕はおにいちゃんがいるから、家と土地はあっちにいっちゃって、自分で不動(dòng)産を買(mǎi)わなきゃならないんだ」

　　「それじゃ、よほどいい會(huì)社に勤めないと替えないぞ」

　　「そうなんだ。やっぱり年収がよくないとね。それじゃなかったら株で儲(chǔ)けるとかさ」

　　などと延々と會(huì)話は続き、一生勤めて退職金はいくらだの、奧さんの親にも助けてもらわなければなどといっているのだ。人生設(shè)計(jì)などまるでなく、日々を行き當(dāng)たりばったりで過(guò)ごし、これからもそうしょうと思っている私は、

　　「ひえーつ」

　　と、心の中でつぶやいてあとずさりしてしまった。これではたかが十一、に歳で老成するわけである。小學(xué)生で年収とか不動(dòng)産取得のために妻の実家の援助まで計(jì)算しているなんてちょっと怖い。彼らは人生設(shè)計(jì)の第一歩として有名私立中學(xué)校をめざす。親にしてみれば成績(jī)のいい自慢の息子なのだろうが、私からみれば「子供」とは呼べない、不可思議な別の生き物なのだった。